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優雅で簡潔なこの作品は、シリコンバレーの先駆者の一人であるアンディ・グローヴの少年時代の回想録である。1936年、ブダペストの世俗的ユダヤ人家系に生まれた著者は、幼い頃にこう言われたという。「イエス・キリストはユダヤ人に殺された。だから、ユダヤ人は皆、ドナウ川に投げ込まれるだろう」と。アンドリス・グロフの学生時代は、そうした反ユダヤ主義に彩られ、ナチスの占領、そして戦後の共産主義政権によって度々中断された。彼は優秀な学生で、化学に秀で、ブダペスト大学で化学を学んでいたが、1956年のハンガリー動乱によって国境を「泳いで越え」、西側へ移住する決意を固めた。グローヴは、ナチス、そして共産党の支配下にあった20世紀の危険極まるブダペストで、一人の少年が成長していく様を興味深く描き出し、脱出と、その後のニューヨーク市立大学での学業再開に至るまでの経緯を記して回想録を締めくくっている。